英語を話しているときに、相手に「Sorry?」と聞き返される──。
これは多くの日本人英語学習者がぶつかる壁です。
単語も文法も間違っていないのに、なぜか通じない。
その原因の一つに、
発音そのものではなく「声の出し方=発声」がちがうことが挙げられます。
日本語は「口発声」、英語は「喉発声」。
この違いを理解し、
ちょっと意識を変えるだけで、相手の反応が驚くほど変わります。
この記事では、その悩みを根本から解決するために、
- 口発声と喉発声の違い
- 喉発声の具体的な練習法(1日5分)
- 発声練習を継続するコツ
- 上達を実感するための録音活用法
をわかりやすく紹介します。
発声練習がなぜ、英語に必要なの?

まずは、多くの日本人がやってしまいがちな「口発声」について。
日本語は、
そもそも近距離での会話を前提とした言語です。
口の中で音を作り、
息を強く出さなくても相手に伝わるようにできています。
そのため、
日本語話者の多くは「口発声」に慣れきっています。
ところが、
英語はまったく違います。
英語は「声を遠くに飛ばす」言語です。
日本語と同じ発声のまま話すと、次のようになってしまいます。
- 声がこもって相手に届かない
- 母音が弱く、音がぼやけてしまう
- 子音が不明瞭で、単語が聞きとれない
- フレーズ全体が平坦で英語らしい抑揚が出ない
この状態では、
どれだけ発音記号や音読を頑張っても、
聞き手にはクリアに届きません。
これらの問題は発音練習よりも前に
「声の出し方」を直すことで解決します。
そして英語の聞こえ方は一気に変わります。
英語では「喉発声」が基本

英語では、声帯と息をしっかり使って
「喉(のど)から声を響かせる」
ことが基本です。
ネイティブスピーカーの声に
厚みや抜け感があるのは、この喉発声が自然にできているからです。
このような「喉(のど)発声」を身につけると、次のようなメリットがあります。
- 声に厚みと抜け感が生まれ、自然に聞き取りやすくなる
- 母音と子音がクリアになり、聞き返されにくくなる
- リズムとイントネーションが自然になり、スピーキングのテンポが良くなる
- 自分の声をコントロールできるようになり、自信がつく
- リスニング力の向上にもつながる
ここで大事なのは、
大きな声を出すことではないという点です。
日本語話者の多くが
「声を張らなきゃいけない」
と勘違いしがちですが、喉発声は「響かせる」です。
声量よりも、
息と共鳴がポイントになります。
喉発声を意識するようなれば、相手の反応がまったく変わってきます。
発声練習英語|1日5分でできる喉発声ルーティン

もしあなたが
「発声練習 英語」で検索してこの記事を読んでいるとしたら、気になるのは
「どうやって喉発声を身につければいいのか?」
という点ではないでしょうか?
結論からいうと、特別な練習は不要です。
毎日5分のシンプルな練習で、
発声(声の響き)が確実に変わっていきます。
① 呼吸(1分):あくびの口で息を通す
喉発声の基礎は「息」と「空間」を作ることです。
「あ」と言うときのように大きく口を開け、
そのとき喉の奥まで「筒」があるように広げるイメージを持ちましょう。
口腔が、深い洞穴のような空洞になっている感じです。
その状態で「ハー」と息を前に長く吐き出します。
この口の中に「空間を感じる練習」が、喉発声のスタートラインです。
② 母音(1分):空間を保ったまま響かせる
空洞の形をキープしたまま、
「アーオーウ-イーエー」
と順番に発声します。
ここで大事なのは、音を切らないこと。
「ア、オ、ウ…」ではなく、「アーオーウ-イーエー」と音をつなげて移行します。
二重母音ならぬ、五重母音です。一息で五音、発声するのです。
次に「アー」と言いながら、音の響きを口の中で
口の奥 → 真ん中 → 歯のあたり → 真ん中 → 口の奥 → ・・・
へと移動させ、
口の中を行ったり来たり、
ループさせながら声を出しましょう。
移動させながら、
「アーオーウ-イーエー」と発生する練習もオススメです。
この母音練習は、
英語らしい「響き」と「抜け感」を作る基礎になります。
母音は、発音記号の細かいことを覚えるより、
先にこのように母音をシームレスに変化させることを練習した方が効果的です。
③ 子音(2分):苦手な音を前に飛ばす
日本語話者が特につまずきやすいのが、
- th
- f
- v
といった息をしっかり前に出す子音です。
これらを練習しましょう。
- th:舌を軽く歯の間に出して、息を前に押し出すように発声(ツでもスでもない音)
- f / v:上の歯と下唇で摩擦音を作り、声と息をしっかり前へ(h音と違う音)
大きな声を出す必要はありません。
口の中にあるゴマを吹き飛ばす感覚で、
短く鋭く発音すると、響きが前に出てくるようになります。
また、「ウ」の母音が混じらないように注意しましょう。
日本人は「ウ」の母音の音が混じりがちです。
④ 音変化(1分):短いチャンクで実践練習
英語は単語の発音だけではなく、「つながり」がとても重要です。
単語単体ではなく、
短いフレーズ(チャンク)で練習すると、
実際の会話に近い発声が身につきます。
例:
- “Take a look”
- “What’s your name?”
- “Think about it”
これらのフレーズを
息と音を途切れさせず に発声し、
声を前に飛ばすことを意識しましょう。
これを続けることで、英語らしい滑らかさが自然と身につきます。
発声練習を効果的にする「録音」の活用法

喉発声は感覚的なトレーニングなので、
感覚頼りでは上達を実感しにくいものです。
そこで有効なのが「録音」です。
自分の発声を録音しましょう。
スマホのボイスメモで十分です。特別な機材は必要ありません。
録音を取り入れると、次のようなメリットがあります。
- 自分の発音を客観的に聴けるため、癖や誤りに気づきやすくなる
- 過去の録音と比べることで、上達を実感できる
- ネイティブ音声と聞き比べることで、修正ポイントがわかりやすい
- 声の出し方、リズム、イントネーションの違いを分析できる
- 毎回、「耳」で確認できるので、練習の正確さが上がる
私もときどき
自分の発音を録音して、発音や発声をチェックしています。
「前より声が抜けてる」と自分で気づけると、
練習を続ける上でとても大きなモチベーションになります。
発声練習英語を続けるコツと注意点
喉発声の練習は「1日5分」で十分ですが、
ポイントを押さえないと効果が出にくくなります。
- 大きな声を出さないこと(響きを重視)
- 発声前の「息の流れと空間づくり」
- 録音して、感覚と現実の差を埋める
- 苦手な音(特に th / f / v)を、集中的に練習する
- フレーズ練習で英語のリズムや抑揚をチェック
喉を酷使するような練習は必要ありませんし、大きな声も必要ありません。
口の中の気流をコントロールし、
- 母音の「響かせる」イメージ
- 子音の「短く鋭い」イメージ
を持つと声が自然に前に飛びます。
まとめ:発声練習英語を習慣にすれば “伝わる英語” になる
英語の発音を良くするために、
難しい舌の使い方や発音記号を完璧に覚える必要はありません。
まずは 声の出し方=喉発声 を身につけること。
これが一番効果的な第一歩です。
- 口発声 → 喉発声へシフト
- 1日5分の喉発声ルーティン
- 録音で変化を「見える化」
- 苦手な音を重点的にトレーニング
この4つを続けるだけで、
「聞き返される英語」から「伝わる英語」に変わっていきます。
喉発声は、
初心者でもすぐに取り入れられるシンプルな練習です。
今日から、
ほんの少し“声の出し方”を変えるだけで、
あなたの英語は確実に変わります。

