この記事では、英語の音変化のうち、”T音”の変化について解説します。
・早口の英語が、聞き取れない
・単語のときと違う発音になってる気がする
・リスニングも苦手です
英語の発音を練習している人向けに、このような英語の音の変化についての悩みを解決します。
”T” 音は、発音の変化のバリエーションが多く、個人差が激しい音変化です。
ですから変化のバリエーションをあらかじめ知っておくと、かなりヒアリングも楽になります。
この記事では、次の内容を解説しています。
- いくつかタイプがある、”T” 音の変化について解説します。
- それぞれの音変化の動画を紹介しています。
ほかの音変化についても解説しています。
音変化についての解説記事リスト:
- 英語の音変化①:シュワ (schwa)を音読で理解
- 英語の音変化②:音の連結(リエゾン)を音読で理解
- 英語の音変化③:音の同化(アシミレーション)を音読で理解
- 英語の音変化④:一番むずかしい ”T音”の変化を音読で理解
- 英語の音変化⑤:脱落(リダクション)を音読で理解
”T”音の変化について
”T”音の発音を変化には、次の4パターンあります。
“T”音の変化のバリエーション:
- 発音するT:T音をそのまま発音します。hard T もしくは true T と呼ばれます。
- フラップT :T音が「ら行」に変化、もしくは「だ行」に変化します。
- グロッタルT:T音が促音 (声門閉鎖音) に音変化します。glottal T もしくは glottal stop と呼ばれます。
- 脱落T :T音を発音せず、脱落させます。Muted Tや Elision T、 Silent Tと呼ばれます。
この違いは、話される地域の違いになります。
細かく語るともっとありますが、この4つを知っていれば問題ありません。
自分が練習するときは、どれか一つができれば充分です。お手本の人がどれを発音しているかで、自分が練習するT音を決めれば良いです。
① 発音するT:イギリスの南部標準英語や RPのアクセント
イギリス英語では、基本的にスペルに “t” があれば発音します。
例えばよく言われるのが、”often” です。学校では「オフン」と発音すると習ったはずです。
ですが、イギリスでは「オフトゥン」と発音します。
このようにすべての “t” を発音することを hard T もしくは true T と呼びます。
次の動画は、この記事で紹介するすべての “T”音を紹介してます。True Tも紹介しています。
▶ Glottal T, True T, Posh RP T, American T
- RPは Received Pronunciationの略で、イギリスの標準英語です。
② フラップT:ら行化するアメリカ英語に多いアクセント
T音 ➔D音 ➔ R音に変化するバターンです。アメリカ英語に多いです。
Tを発音するとき、舌を上に揚げます(フラップ)。
そのときに上顎に着けないで発音すると R のような発音になります。
フラップTの例を見る
- Better → / ʼbɛrɑ / (ベラッ、ベダッ)
- Difficulty → / ˈdɪfɪkəlri / (ディフィカリィ (※))
- Get_out → /ˈgeraʊt / (ゲラウト、ゲダウト)
- D行に変化するのは、聞いたことありません・・・。
次の動画で、実際に音を聴いてみてください。
▶ The Flap T! American English Pronunciation
③ グロッタルT:イギリス系英語に多いアクセント
T の音が消えるパターンです。グロッタルとは「声門」のことです。
声門で止まるTの発音で、グロッタル・ストップ(Glottal Stop)、ストップT(Stop T)とも呼ばれています。
日本語の促音(っ)に近い発音になります。発音記号は
/ʔ/
です。
どういう音か、次の動画を確認してみて下さい。(動画は発音しているところから始まります)
▶ How to Pronounce the Glottal Stop/Glottal T and When is it Used
動画での “Uh oh” /’ʌːʔəʊ/ (ウー、アー)と発音するときの喉を閉じる感じの発音です。
コツは、イントネーションを少しあげて止め、戻して続きを発音します(ウ⤴、ア→)
グロッタルTの例を見る
- Better / ‘beʔə / (ベァっ)
- Water / ‘wɔːʔə / (ウォァっ)
- Watson / ‘wɑʔsn / (ワッスン)
- Can’t / ‘kɑnʔ / (カンっ)
※ Can’t は「脱落T」で発音する人もいます。そういう人はグロッタルTよりも「脱落T」で発音したりします。
Better という発音が2つある単語
ちなみに Better という単語では、次のようにフラップTとグロッタルTで発音が違います。
- フラップT の Better – / ʼbɛrɑ / (ベラ)
- グロッタルT の Better – / ʼbɛʔɑ ( ‘beʔə ) / (ベァ)
こんな感じで、同じ単語でも地域や人によって違います。
④ 脱落T:発音しないアクセント
T音を発音しないパターンです。(Muted T, Elision T, Silent T などと呼ばれます)
基本的には -NT のスペルでT音を発音しません。
日本人には一番ラクなパターンです。
脱落Tの例を見る
例)
- Can’t → Can’ (カン)
- Isn’t → Isn’ (イズン)
- Won’t → Won’ (ウォン)
ほかにも普通の英単語でもたとえば Important の最後の音が消え、Importan’ になったりします。
- Content → Conten- (コンテン)
- Elephant → Elephan- (エレファン)
- Discount → Discoun- (ディスカウン)
また一つの単語に2つ以上ある場合もあります。
- Appointment → Appoin-men- (アポイン、メン)
- Printer → Prin-er (プリナ)
- Centre → Cen-re (センナ)
- Counter → Coun-er (カウンナ)
- Hunter → Hun-er (ハンナ)
次の動画では、脱落Tの発音を紹介しています。
▶ Pronunciation: Elision of /t/
練習しよう!”T” 音の変化を紹介するYoutTube動画リスト
発音が上達するためには動画を見ながら真似をするのが一番です。
練習のために音変化の動画を紹介します。
発音するTの動画
次の動画では、すべてのT音を紹介していますが、True T(発音するT)も紹介しています。
フラップTの動画
フラップ T で「だ行」に変化しています。
グロッタルTの動画
脱落Tの動画
“T”音の変化が分かると、リスニングのレベルが一つ上がる
この記事では、英語の音変化のうち、”T音”の変化について解説しました。
T音の変化は特に難しく、外国人には一番難しいという人もいます。
でも知ってしまえばそれほど難しくなく、しかもリスニングすると英語の音がもっと聞こえるようになります。
リスニングのレベルが一つ上がったように感じます。
ここで紹介した動画で “T”音の変化に慣れ、英会話のレベルを上げていきましょう。
ほかの音変化についても解説しています。
音変化についての解説記事リスト:
- 英語の音変化①:シュワ (schwa)を音読で理解
- 英語の音変化②:音の連結(リエゾン)を音読で理解
- 英語の音変化③:音の同化(アシミレーション)を音読で理解
- 英語の音変化④:一番むずかしい ”T音”の変化を音読で理解
- 英語の音変化⑤:脱落(リダクション)を音読で理解